幻想即興曲

音楽解説

F.F.ショパン 即興曲第4番 嬰ハ短調 作品66 幻想即興曲 アナリーゼ(楽音分析)

ショパンは生涯に4曲の即興曲を作曲していますが、生前に出版されたのは第1番から第3番までの3曲で、これらの作品は1837年から1842年にかけて作曲されました。 この即興曲第4番はショパンの死から6年後の1955年に友人で法律家、作曲家でもあったユリアン・フォンタナによって出版されました。 「幻想即興曲」のタイトルはその際に付けられました。 ショパンは遺言で自身の未出版作品を破棄するように希望したと伝えられていますが、実際にはフォンタナはこの幻想即興曲以外にも複数の未出版作品を出版しています。 作品の構成として 冒頭で力強いオクターブの響きに続き、左手が流麗に奏でるアルペジオにのって右手が幻想的で即興的なフレーズを奏でます。 中間部ではがらりと曲想を変え、ショパンらしい詩情を伴った美しく繊細な旋律で魅了します。 楽曲は再び冒頭の部分に戻り、最後は中間部の美しい旋律が回想され、静かに終曲します。 CMやテレビドラマの「のだめカンタービレ」にも使用されたり、フィギュアスケート選手の浅田真央さんもプログラム曲として使用していて、とても印象深い曲です。 速いパッセージが続き難しいイメージもある曲なので、これが弾けたら良いなと思う方も多いのではないのでしょうか。