第49回 銀行員におすすめ投資信託を勧められたらどうなるの? 未夜の金融解説

金融解説

姉さん、この前銀行に行った時に投資に興味があるって銀行員に話したら
すごっくいい金融商品を進めてもらったわ。

過夜
過夜

それは絶対に買っちゃだめだわ。
まだ購入はしてないわよね。

購入はまだしてないけど、銀行員が進めているものよ、
金融のプロが進めてるんだから儲かる物に違いないわ。

過夜
過夜

それもよく陥る罠だわ
銀行員の人たちは銀行側が儲かるような商品を売るようノルマが与えられているの、だからその商品がおすすめだって言うのは商売文句とおなじで実際に見たらぼったくりのような商品ばっかだわ。

そんなボロクソに言わなくてもいいじゃない
もしかしたらいい商品かもしれないわ。

じゃあもらったパンフレットを一緒に見てみましょ

 

はじめに

 

金融に少し詳しくなってきた方は、「銀行ですすめられた投資信託を買っちゃいけない!」「銀行で進められた商品を買って損をした!」といった内容を見かける事があります。

 

今回は実際に銀行へ行くと進められる投資信託を見て、どの部分が悪いのか見ていきます。

 

「ただ銀行が悪い」という評価ではなく、どうして銀行の投資商品が悪いのか実際に投資商品を評価、批評します。

 

この記事を見て悪い投資商品はどのような部分が悪いのか、傾向を掴んでおくことで、同じように銀行から投資商品を勧められたたら、「あーなるほど、実際の商品も悪いんだなー」と分かるようになります。

 

また、こうした悪い投資商品を見分けることができれば、自分の力で良い投資商品を選ぶ能力が身に着きます。

 

それでは見ていきましょう。

 

おすすめされた金融商品

 

姉さんに一番いいのを選んでもらおうと思っておすすめ中のおすすめものの資料をもらってきたわ。

過夜
過夜

それじゃあ見ていこっか

 

その1 日本株式

1つ目は以下の日経225の指数に連動するのを目的とした日本株メインの商品について見ていきます。

 

WAM3(PC版)/ファンド詳細/お申込み情報

投資信託を買うときに絶対に見ておきたいのが、手数料です。

  

手数料は投資信託を購入するときに一番重要になってくる部分なので、見方も覚えておきましょう。

 

投資信託は主に

・申し込み手数料(購入時手数料)

・信託報酬

・解約手数料(信託財産留保額)

・その他の手数料・費用

 

の各箇所で手数料が取られます。

 

手数料は交付目論見書に記載してあるので見てみましょう。

このように必要な手数料を全て見ることができます。

 

また、その他の費用・手数料の項目については運用報告書いくら使われているのか見る事ができるので合わせてみておきましょう。

費用明細を見ると売買委託手数料0.012%、監査費用0.001%だと分かります。

 

 この投資信託では、購入手数料と解約手数料(信託財産留保額)はありませんが、信託報酬は0.55%、その他費用0.013%です。

 

年間に購入金額の0.056%程手数料が取られることが分かります。

 

以前紹介したS&P500に連動する投資信託では0.0938%、以前紹介した債券ファンドのAGGは0.03%、LQDは0.14%と他に比べると高いことが分かります。

 

その2 日本債券

2つ目は日本の債券に投資する投資信託です。

WAM3(PC版)/ファンド詳細/お申込み情報

 

こちらは交付目論見書を見てみましょう。

注意したいのは購入時手数料が「販売会社が独自に定める率をかけた額とします。」記載されているの部分です。

 

これは、銀行の方で購入時手数料を定めているので、そちらを見る必要があります。

購入時手数料と申し込み時手数料は同じ意味で使われているので注意しましょう。

 

また信託報酬は新規に発行した10年物の固定金利の国債の利回りによって変動することが記載されています。

 

現在の国債の利回りは非常に低く0.5%以下なので、年率0.1595%の信託報酬がかかることが分かります。 

 

先ほどと比べると信託報酬の手数料は0.1595%低めですが、購入時に手数料を1%取られており、非常に悪い商品です。

 

その3 海外債券

3つ目は海外債券に投資する投資信託です。

ファンド詳細/運用状況

こちらも交付目論見書を見てみましょう。

交付目論見書に「購入手数料は販売会社が定める」と書かれているので販売会社のページを見ると下のように購入手数料が2.2%かかります。

 

信託報酬は年間に購入金額の1.155%かかります。

ここまで見てきた人なら、手数料が非常に高いということが分かってもらえると思います。

 

その4 海外株式

4つ目は海外株式に投資する投資信託です。

WAM3(PC版)/ファンド詳細/ファンド概要

交付目論見書を見てみまみましょう。

こちらも購入手数料が販売会社にかかれていることが分かるので、販売会社のページを見てみましょう。

 

申し込み手数料は購入時価格の2.2%、信託報酬は年率1.21%だと分かります。

 

こちらも手数料をぼったくる悪い商品だと分かります。

 

また実際に交付目論見書を読んでみると、手数料の条件などがさらに細かく記載されておりすごく分かりにくくなっています。

 

こうして分かりにくくなっているのは、投資商品がどんなものか分かりにくくして売りつけることを目的としています。

 

自分がどんな商品を買っているのかしっかりと把握しておきましょう。

 

その5 新興国株式

 

最後に新興国株式について見てみましょう。

みずほ銀行
みずほ銀行のウェブサイト。インターネットバンキングがご利用いただけるほか、みずほマイレージクラブ・住宅ローン・カードローン・資産運用(投資信託・外貨定期預金・個人年金保険)等の各種サービス・商品情報や金利・為替相場情報、宝くじ当せん番号等を提供しています。

こちらもまずは交付目論見書を見ましょう。

こちらも購入手数料は販売会社が定めるということが書かれているので、そちらを見てみましょう。

購入手数料が3.3%、信託財産留保額が0.3%、信託報酬は年率1.705%と紹介し中でも最も手数料が取られるぼったくり商品です。

 

こういった手数料が悪い商品はこれ以上見ても時間の無駄なので、他の商品を探しましょう。

 

結論

なによこれ、日本の株式、債券、海外の株式、債券、新興国に至るまで全てぼったくり商品じゃない。
これじゃあ良いものを選べないじゃない。

未夜
未夜

そうね、どの商品を選んだらいいかじゃなくて、銀行や証券会社が進める商品は全て買っちゃいけないと覚えないといけないわ。

 

今回は銀行で勧められる投資信託がどんなものか見ました。

 

・銀行がすすめる投資信託全て手数料が高いぼったくり商品しかないということ

・手数料は交付目論見書を見て確認すること

この二つを覚えて欲しいと思います。

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