E.W.エルガー 愛のあいさつ アナリーゼ(楽音分析)
愛のあいさつは、エルガーが31歳の時に作曲した作品です。この曲は、エルガーの人生にとても大きく関わっている曲です。
エルガーは29歳の時、後の妻になるキャロライン・アリス・ロバーツのピアノ教師を務めることになりました。
エルガーより8歳年上の彼女はイギリスの名家に育ち、当時既に著書も出版している才女でした。
ほどなく恋に落ちた二人でしたが、当時のエルガーは音楽教師などで生計を立てる貧しい駆け出しの作曲家でした。
加えて社会的な身分や年齢も違う上に、二人はキリスト教の教派も異なり、アリスの家族から強く反対されることになります。
しかし、周囲の反対にもかかわらず、二人は1888年に婚約を交わします。
その時にエルガーからアリスに婚約記念として贈ったのが、「愛のあいさつ」です。
婚約の時に音楽を送るなんてロマンティックですね。
周囲の大きな反対にも負けず、彼らは互いに支えあい結婚一年後には一人娘が生まれています。
また、「威風堂々」や「エニグマ変奏曲」などの名曲を作曲しついには名声を獲得しました。
彼の成功には妻の支えが、なくてはならないものでした。
この曲は二人が支えあって、共に歩みだす第一歩となる作品でもあります。