J.S.バッハ 無伴奏チェロ組曲 第1番 プレリュード アナリーゼ(楽音分析)
バッハの作った6作品《無伴奏チェロ組曲》のうち、最も有名なのがこの「プレリュード」です。
バッハの活躍した時代にはあらゆる楽器が様々な改良を加えられている過程でした。
チェロもその一部でした。
当時はマイナーな楽器で、代表的な音楽がありませんでした。
バッハの作ったプレリュードは、低音と音量を出すチェロの魅力を存分に引き出す作品で、
現代でも広く親しまれている音楽です。
様々な楽器に編曲されるほか、ドラマや映画、アニメなど、様々な作品での引用も非常に多い1曲です。
この曲はその音楽性の豊かさから、チェロだけでなく、様々な楽器で演奏され、愛される作品です。
今日ではチェロの旧約聖書とも言われるこの無伴奏チェロ組曲ですが、バッハの他の作品同様にその死後は長い間日の目を見ることはありませんでした。
この作品に再びスポットライトを当てたのは20世紀を代表するチェロの巨匠、
パブロ・カザルスでした。
1890年、スペイン、バルセロナの店で当時13歳のカザルスは偶然にこの曲の楽譜を手にします。
1904年にはパリで全曲演奏会を開き、1936~39年にはレコーディングをするなど、
その価値を再発見し広く世に紹介したことでも有名です。
カザルスは生涯をかけて無伴奏チェロ組曲と向き合い続けた音楽家で、彼の存在により
この作品が今日まで名曲として残り続けています。