証券会社が倒産したら預り金はペイオフできるのか?

証券口座

皆さんは証券会社が倒産したらどうなるか知っていますか?

  • そもそもペイオフとはなにか?
  • 証券会社倒産したら預けておいた置いたお金が引き出せなくなるの?
  • 証券会社が倒産したら預けておいた株式は債券はどうなるんだろう?

こういった疑問について解説するので参考にしてください。

 

補足

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ペイオフって何?

ペイオフとは、本来、金融機関が破綻した場合に預金を保護する制度のことを言います。

 

日本のペイオフの仕組みは、預金保険機構によって成り立っています。

 

預金保険機構は、日本の銀行、信用金庫、労働金庫、農協などの金融機関に対して、破綻時の預金の保護をする保険を提供している組織になります。

 

この保険では、加入者である金融機関が万一破綻した場合、預金保険機構が保険金を支払うことで、預金者の損失を補てんすることができます。

 

証券口座のお金はペイオフの対象にはならない。しかし・・・

ペイオフ制度の対象となる金融機関については預金保険法第2条に定められていて、具体的には以下の機関になります。

ペイオフ制度の対象となる金融機関

日本国内に本店のある以下の金融機関
銀行法に規定する銀行、長期信用銀行法に規定する長期信用銀行、信用金庫、信用組合、労働金庫、信金中央金庫、全国信用協同組合連合会、労働金庫連合会、商工組合中央金庫

 

このため証券口座のお金はペイオフの対象にはなりません。

 

しかし、この記事を読んでいる方はおそらく証券口座が破綻してもペイオフ制度のように証券口座に預けているお金は変換されるのか?という疑問を持っていると思います。

 

安心してください。証券口座に預けているお金や株式、債券などの証券はしっかりと保護されます。

ここからはその部分について解説します。

   

証券会社が倒産したら預り金はどうなる?

それでは、日本の証券会社が破綻した場合、預かり金は全く保護されないのでしょうか。

 

実は、万が一証券会社が破綻しても、基本的に顧客が証券会社に預けた預金や債券、株式などは大丈夫です。

 

まず、証券会社は法律上「分別管理」が義務づけられています。

 

「分別管理」とは、証券会社が顧客の資産を会社の資産とは別に管理しなければならないということです。

 

つまり、証券会社が破綻して、債権者が取り立てを行なっても、顧客の資産には手を出せなくなります。

 

証券会社が法律を遵守して適切に分別管理を行なっていれば、証券会社が破綻しても、顧客の預かり資産は全額返金されます。

 

さらに、日本の証券会社は、日本投資者保護基金への加入が義務づけられています。

 

これは、金融商品取引法によって1998年に設立された組織で、預金保険機構の証券会社版です。

 

元々は国内系の証券会社が加入する日本投資者保護基金と、外資系証券会社が加入する証券投資者保護基金に分かれていましたが、2002年に日本投資者保護基金として一本化され、現在に至っています。

 

もし破綻した証券会社が法律に違反して、分別管理を行なっていなかった場合、本来は保護されるべき顧客の資産まで損害が及ぶ可能性があります。

 

しかし、この場合でも、日本投資者保護基金により、顧客ごとに1000万円までと破綻時までの利息分が保護されます。

 

証券会社の預かり資産は、「分別管理」と「日本投資者保護基金」の二本立てで守られているわけです。

証券会社は法律で分別管理を義務づけられており、原則として、証券会社が倒産しても顧客の資産に損害が及ぶことはない万一、証券会社が倒産して顧客の資産まで損害が及んだ場合でも、日本投資者保護基金により、一人あたり1000万円+利息分までが保護される

 

証券会社の預り金だけでなく、債券や株式など全ての資産が保護されるの?

 

それでは、証券会社に預けた資産は1000万円までは全て保護されるのでしょうか?

 

日本投資者保護基金に保護される資産の条件は以下の通りとなります。

顧客は個人投資家や金融機関などの適格機関投資家や国、地方公共団体など、いわゆる「プロの投資家」を除いた一般の顧客に限る株式、債券、投資信託、株式の信用取引に係る保証金、国内取引所の有価証券先物取引や有価証券オプション取引に係る証拠金

 

重要なのは、プロの投資家やプロの投資家向けの商品については対象にならない、という点です。

 

具体的には以下のようなものがあります。

有価証券先物、オプション、CFDを取引所市場外の相対で行う取引外国の取引所で取引される先物、オプション、CFD取引東京金融取引所のくりっく365取引(取引所上場外国為替証拠金取引)外国為替証拠金取引(FX取引)第二種金融商品取引業の金融商品に該当する取引(信託受益権、組合契約、匿名組合契約、投資事業有限責任組合契約などに基づく権利の取引)

 

最近流行りのFX取引などは、日本投資者保護基金制度の対象となっていませんので、リスクを理解した上で投資するように注意しましょう。

日本投資者保護基金の補償対象になるのは、株式、債券、投資信託など国内取引の先物や証拠金についても対象となる海外の先物やオプション、海外FXなどは補償の対象外

 

証券会社が破綻した場合、債券や株式はどうなる?

証券会社が破綻した場合、証券会社に預けている債券や株式はどうなるのでしょうか?

 

先に述べたように、証券会社は金融商品取引法によって「分別管理」を義務付けられています。

 

日本の証券会社では、顧客の債券や株式などの保管や受け渡しを証券保管振替機構に委託しています。

 

いわゆる「ほふり」と言われる制度です。

 

日本の株式や債券については「株式等振替制度」や「一般債振替制度」、海外の株式や債券については「外国株券等保管振替制度」で、証券保管振替機構が証券会社からの指示を受け、権利関係の移転や手続きなどを行なっています。

 

ですから、債券や株式が証券会社に預けていると言っても、きっちりと分別管理がされており、破綻した場合に損害が及ぶことはありません。

 

金融商品取引法による「分別管理」については、日本証券業界の以下のリーフレットが参考になります。

「お客様の資産を大切に管理!ー金融商品取引業者等の分別管理Q&A―」

 

ほふりについては詳しくは証券保管振替機構のホームページに詳細が記載されています。

日本の証券会社では、国内の債券や株式は、証券保管振替機構を通じて分別管理されている

 

証券会社が破綻した場合、投資信託はどうなる?

証券会社が破綻した場合、債券や株式などは保護されるのは分かったけれど、投資信託の場合どうなるのか?

 

投資信託では、通常、販売会社、運用会社、信託銀行の3つの金融機関が関わっており、証券会社が販売会社であるケースと運用会社であるケースがあります。

 

結論から言うと、投資信託の場合でも、分別管理の原則により、証券会社が破綻したからと言って顧客の資産に損害が及ぶことはありません。

 

ケース別に見ていきましょう。

 

<破綻した証券会社が販売会社だった場合>

販売会社は、あくまで投資信託の取引の窓口であり、顧客の投資信託を直接預かっているわけではありません。

 

顧客の投資信託は、別の信託銀行に信託財産として保管されていますので、販売会社の破綻が直接影響することはありません。

 

<破綻した証券会社が運用会社だった場合>

運用会社は、顧客から預かった資金を元に運用を行ないますが、あくまで運用の指図をするだけです。

 

顧客の投資信託は、別の信託銀行に信託財産として保管されています。

 

運用会社が破綻していた場合、信託銀行に預けられた投資信託は、他の運用会社に引き継がれるか、繰上げ償還されることになります。

投資信託も分別管理と日本投資者保護基金の対象であり、販売または運用する証券会社が破綻した場合でも、顧客の資産が損害を被るリスクは低い

 

証券会社が破綻した場合、海外株式や外貨MMFはどうなる?

日本の銀行や信用金庫などは、預金保険機構によって保護されていますが、ここで保護対象となっているのは、国内の預金に限られます。

 

つまり、国内の銀行の取扱であっても、外貨預金はペイオフの対象外です。

 

万が一、取扱先の銀行が破綻した場合、1000万円以下であっても損失の可能性があるということになります。

 

それでは、日本の証券会社に預けている海外株式や外貨MMFはどうなるのか?

 

結論から言うと、海外株式や外貨MMFは分別管理されているのはもちろん、万が一の場合でも日本投資者保護基金の対象になります。

 

海外株式は証券保管振替機構を通じて管理され、外貨MMFは信託銀行に預託されています。

 

さらに、日本投資者保護基金は、預金や株式については国内のものだけでなく海外のものも保護対象としていますので、万が一の場合でも、1000万円と破綻時までの利息分については保護されます。

 

ただし、海外の先物やオプション取引などは対象外ですので注意してください。

海外株式や外貨MMFも日本投資者保護基金の補償対象となっている

    

証券会社が破綻した場合、どのような手続きをすれば良いのか?

証券会社が破綻した場合、通常は破綻先の証券会社から案内があり、別の証券会社に引継ぎをされるか、信託銀行などから返還を受けることになります。

 

万が一、分別管理が徹底されておらず、破綻先の証券会社に請求ができない場合には、日本投資者保護基金に補償の請求をします。

 

この場合、投資者保護基金が新聞などに広告を行ない、把握できる限りの対象顧客に郵送で通知を行ないます。

 

補償の対象となる顧客は、案内に従って投資者保護基金に必要な書類を提出すれば、1000万円と破綻時までの利息について補償を受けることができます。

 

1000万円を超える場合でも、全額ではなくても追加の補償を受けられる場合がありますので、必要な書類を提出して補償手続きを行ないましょう。

 

補償手続きの詳細については、投資者保護基金のホームページに掲載されています。

補償手続 | 日本投資者保護基金

証券会社が破綻して投資者保護基金の補償を受ける場合には、基金からの広告や案内に従って必要書類を提出する必要がある

 

まとめ

今回は証券会社が倒産したときに預けていたお金が保証される範囲と必要な手続きについてまとめました。

 

証券会社が倒産することは普段ありませんが、バブル崩壊時には実際に起こった出来事です。

 

万一の時のため、事前に知識を備えておくことにより、落ち着いて行動することができます。

 

良ければ参考にしてください。

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