F.F.ショパン エオリアンハープ アナリーゼ(楽音分析)
この曲はショパンのエチュード集の一つで、分散和音に乗って浮かび上がってくるメロディーが印象的な楽曲です。
「羊飼いの少年」『牧童の笛」とも呼ばれていますが、有名なのは「エオリアン・ハープ」という愛称です。
エオリアンハープという愛称は、この曲に感動した作曲家のシューマンが名付けたと言われています。
風をうけてひとりでに鳴る、ギリシャ神話に登場する不思議な竪琴です。
楽曲全体を通じて奏でられる分散和音の音色が、自然に吹く風によって音を出す弦楽器の一種であるエオリアン・ハープを連想させることから名づけられています。
両手で分散和音を弾きながら、その上にメロディーが生まれていくのですが、このエチュードは分散和音のための練習曲という奏法のテクニックを習得するためだけではなく、崇高な音楽性も要求される高度な曲です。
ショパンがパリでピアノ教師として弟子にこの曲を教えた際、「牧童が、近づいてくる暴風雨を避けて洞窟に避難している。遠くで風や雨が吹きずさんでいるが、牧童は静かに笛を取って美しい旋律を吹いている。そういうところを思い浮かべて引いて見なさい。」と教えたそうです。
練習曲には収まらない情緒や芸術性を備えていることで、練習曲集はレッスン用のみでなく、演目にも用いられたと言われています。