音楽鑑賞

音楽解説

ビョートル・チャイコフスキー 白鳥の湖 第2幕 情景 アナリーゼ(楽音分析)

この曲は『眠れる森の美女』、『くるみ割り人形』と共に「3大バレエ」と称される名作です。 ドイツの作家 ムゼウスによる童話「奪われたべール」を元に作られました。 当時のバレエ音楽は、オペラや交響曲に比べて芸術的価値が低いものでした。 チャイコフスキーはすでにオペラや交響曲の分野で成功を収めていたにもかかわらずこの曲を作成しました。 それは、以前からバレエ音楽に興味を持っていたためです。 チャイコフスキーにとって初めてのバレエ音楽でしたが、初めて演奏した際には、踊り手・指揮者に恵まれず不評でした。 その後、この曲は作曲者の書斎に眠っていたのを弟子のイワノフによって改造がなされました。 チャイコフスキーが亡くなった2年目にこの曲は演奏され、今でも演奏される人気の作品となりました。
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F.F.ショパン エチュード 作品25-11 木枯らし アナリーゼ(楽音分析)

この冒頭の4小節は作曲当初には存在しなかったが、後に友人の提案によって追加されています。 ショパンのエチュード(練習曲)集の一つです。 右手が旋律音の間を急速に上下するパッセージワークのための練習曲です。 右手は一部を除いてひたすらパッセージワークを奏で、左手が序奏の旋律を担当します。 右手が幅広い音域を行ったり来たりするため、腕だけでなく、上半身全体のスムーズな体重移動が要求される高難易度の作品です。 練習曲として、速くて細かいパッセージで右手が鍛えられるようになっていますが、 その動きがあたかも厳しい冬の木枯らしに乱舞する、落ち葉のようすを描写していることから、 この題名は広く知れ渡っています。
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フランク・ミルズ 愛のオルゴール アナリーゼ(楽音分析)

この曲はカナダのピアニストフランク・ミルズの最初のアルバム『詩人と私』に収められたピアノの曲です。 1978年にラジオ向けのプロモーションのためにシングル・カットしたところ、 ヨーロッパ、アジアで人気を呼び、北米で大ヒットしました。 日本では、独自の歌詞をつけたリメイク曲「潮騒のメロディー」としても知られています。 インストゥルメンタル曲でありながら印象的で覚えやすいメロディを持ち、 多くのアーティストにカバーされており、各種BGMなどでも多用されています。
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E.W.エルガー 愛のあいさつ アナリーゼ(楽音分析)

愛のあいさつは、エルガーが31歳の時に作曲した作品です。この曲は、エルガーの人生にとても大きく関わっている曲です。 エルガーは29歳の時、後の妻になるキャロライン・アリス・ロバーツのピアノ教師を務めることになりました。 エルガーより8歳年上の彼女はイギリスの名家に育ち、当時既に著書も出版している才女でした。 ほどなく恋に落ちた二人でしたが、当時のエルガーは音楽教師などで生計を立てる貧しい駆け出しの作曲家でした。 加えて社会的な身分や年齢も違う上に、二人はキリスト教の教派も異なり、アリスの家族から強く反対されることになります。 しかし、周囲の反対にもかかわらず、二人は1888年に婚約を交わします。 その時にエルガーからアリスに婚約記念として贈ったのが、「愛のあいさつ」です。 婚約の時に音楽を送るなんてロマンティックですね。 周囲の大きな反対にも負けず、彼らは互いに支えあい結婚一年後には一人娘が生まれています。 また、「威風堂々」や「エニグマ変奏曲」などの名曲を作曲しついには名声を獲得しました。 彼の成功には妻の支えが、なくてはならないものでした。 この曲は二人が支えあって、共に歩みだす第一歩となる作品でもあります。
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ソナチネ14番 モーツァルト ピアノソナタ15番  一楽章 アナリーゼ(楽音分析)

ソナチネとは「小さいソナタ」という意味です。 ソナタの語尾に -ine を付けて“小さい”という意味が加わった造語です。 このピアノソナタは、モーツァルトが自作の作品目録に「初心者のための小さなソナタ」と記しており、 ソナタアルバムやソナチネアルバムにも収められていることから、ピアノ学習者にはおなじみの曲となっています。 比較的難易度が低い作品ではありますが、知名度が高い作品です。 特に冒頭の部分は誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
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F.F.ショパン エチュード 作品10-3 別れの曲 アナリーゼ(楽音分析)

この曲は、ショパンのエチュード(練習曲)集の一つで、日本では「別れの曲」の名で親しまれています。 これは、1934年にショパンの生涯を描いたドイツ映画「別れの曲」でこの曲が使われていたためです。 映画のタイトルがそのまま曲名として定着しました。 冒頭の旋律は特に有名で、誰もが一度は聴いたことがあると思います。 「別れの曲」が作曲されたのは1832年でショパンが22歳の時だと言われています。 この頃のショパンは故郷ポーランドを離れ、パリへと拠点を移しています。 「パリでの成功を夢見る心情」と「故郷を懐かしむ心情」の中で作られた作品です。 ショパンの練習曲はただのテクニックの習得の曲ではなく、美しく芸術的な作品と言われています。 この曲はその中でも突出して美しい作品で、ショパン自身も「これ以上美しい旋律を作ったことはない」と語っているほどの作品です。
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クロード・ドビュッシー プレリュード 亜麻色の髪の乙女 アナリーゼ(楽音分析)

この曲はドビュッシーが作曲した前奏曲の1つです。 前奏曲は全24曲あり、各12曲からなる曲集『前奏曲集 第1巻』『前奏曲集 第2巻』に収められています。 亜麻色の髪の乙女は前奏曲集の 第1巻 第8曲に収められています。 優しい旋律による叙情美溢れる曲で他の曲と趣が異なり、はっきり変ト長調に定まった旋律的で短い作品です。 劇作家のルコント・ド・リールの詩の一節を意識して作られており、 詩の一説には、さわやかな朝に歌を歌う亜麻色をした髪の少女への熱情が書かれています。
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J.S.バッハ 主よ人の望みの喜びよ アナリーゼ(楽音分析)

この曲はカンタータ 第147番『心と口と行いと生活で』の音楽の一部です。カンタータとはプロテスタントの教会で歌われる音楽です。 バッハは教会で、ミサのために沢山のカンタータを作曲していました。 このカンタータ 第147番は2部構成で全10曲から成っており、1723年に聖母マリアの祝日のために作曲されました。 この曲は単独で演奏されることが多く、オルガンをはじめピアノや吹奏楽などにも編曲され親しまれています。 現在では、結婚式やクリスマス、 イースター(イエス・キリストの復活祭)など、キリスト教の祝祭の季節に演奏されます。 バッハは、この大作を生涯にわたり200曲以上作曲しています。 彼は西洋音楽の基礎を構築した作曲家であり、日本の音楽教育では「音楽の父」と称されています。
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C.M.ウェーバー 舞踏への勧誘 アナリーゼ(楽音分析)

ウィンナ・ワルツ(ワルツのタイプの一つで、主として19世紀にウィーンを中心にヨーロッパで好まれたダンス用の音楽や踊り)の雛形となった作品でもあります。 この作品によってウェーバーは「ウィンナ・ワルツの祖」と呼ばれています。 ウィンナ・ワルツの起源ともいえるこの作品は、毎年1月1日にウィーン楽友協会で行なわれるウィーンフィル・ニューイヤーコンサートでも演奏されています。 ウェーバー自身はこの曲を「華麗なロンド」とタイトルを付けていました。 しかし、この作品は、舞踏会を舞台としたドラマ的なストーリーがしばしば語られるため、「舞踏への勧誘」というタイトルの方が良く知られています。 この曲は異なる旋律を挟みながら、同じ旋律を何度も繰り返すロンド形式の曲です。 導入部はmoderato(中くらいの速さ)で、男性が女性を勧誘する場面を表現しています。 左手で主和音のアルペジオと右手がそれに応える形で導入部が終わります。 導入部が終わるとワルツのメインの部分をallegro vivace(やや速く)で演奏しています。 曲が進んでいくと、これと対比を成すかのような優雅なワルツが現れます。 この作品では、クライマックスの後に、これまでに提示したワルツを次々と回帰させる手法が用いられており、その後モデラートのコーダにより静かに曲が終わります。 主題の華やかな演奏が魅力的な作品です。
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G.U.フォーレ シチリアーノ アナリーゼ(楽音分析)

シチリアーノはルネサンス音楽末期から初期バロック音楽に遡る舞曲の一つで、オペラやアリアにも応用されています。 ゆるやかな8分の6拍子か8分の12拍子で作曲され、ためらいがちに揺れ動く曲想と付点リズムが特徴的で、通常は短調をとります。 近代フランスの作曲家フォーレが、チェロとピアノのために作りましたが、むしろフルート用に編曲されたもので親しまれています。 シチリアーノとは「シシリー島風の」という意味ですが、民族舞曲的な色彩をおさえて、どこかしら牧歌的で抒情的仕上がりをみせる秀逸な作品です。 19世紀の間、シチリアーノで有名な曲はほとんど産まれませんでしたが、フォーレによってチェロとピアノのための《シシリエンヌ ト短調》が作曲されました。 これは後にフォーレの弟子のケックランによりオーケストラ用に編曲され、劇の付随音楽として挿入され、いっそう広く知られるようになりました。 物悲しい雰囲気があるために秋や冬をイメージして使われることが多く、現代でもドラマやCM、アニメにも使われています。