今回は企業の格付けについて説明するわ
格付けってなんなの?
企業の信用度を表す指標の一つよ。債権に大きくかかわってくるんだけど、
格付けが変われば株価にも影響することがあるから見過ごせないわ。
へぇ、面白そうだわ。
過夜が興味を持ってくれてうれしいわ。
それじゃあ格付けについて説明していくわね。
格付けとは
格付けとは、国債や社債など債券の信用力や元利金が約束通り支払われる確実性についての評価をAAAからDまでのランク付けによって決められます。
ランク付けが高いほど信用度が高くなり、利回りが低くなります。
逆にランク付けが低いほど利回りが高くなり、信用度が低くなります。
格付けの度合いは以下の通りで考えられています。
BBB以上の格付けを「投資適格格付け」と言い、比較的信用度が良好だと考えられています。
アメリカの債券ファンド、AGG、LQDなどはこれに当たります。
一方でBB以下は信用度が低く、「投機的格付け」と呼ばれています。
アメリカの債券ファンドHYGがこれに当たります。
一般的に格付けが低くなるほど利回りは高くなる傾向があります。
格付けが低いとリスクが高まるので、投資家の関心を引くには利回りを高くする必要があるからです。
格付けのメリット
格付けは企業と投資家の双方にメリットを与えます。
企業側のメリット
・債券を発行する際に、格付けが発行コスト(支払利子)を決定する指標の1つになる
・格付けが高ければ低い利子で債券を発行できるため、コスト負担が軽減される
このように企業にとって格付けは資金調達のしやすさに関係してきます。
投資家側のメリット
・購入する債券の安全性や利回りが妥当か判断する指標になる
このように投資家にとって格付けは投資の判断材料となります。
格付け企業
格付け企業は、独自の基準をもとに格付けを行っている組織のことで、日本では金融庁に信用格付業者として登録されています。
格付け会社は世界に何十社とありますが、その中でも有名な企業を日本と海外それぞれ紹介します。
日本
格付投資情報センター(R&I)
株式会社格付投資情報センター(略称:R&I)は、日本国内における主要な格付会社の一社。信用格付事業を中心に、年金運用のコンサルティング事業や年金・ファンドに関する情報提供事業などを行っています。
日本格付研究所(JCR)
株式会社日本格付研究所(略称JCR)は、日本国内における主要な格付会社の一社で、長期・短期の債券等への格付、金融・資本市場や産業並びに企業動向に関する調査研究、各国の政治・経済に関する調査研究等の業務を行っています。
海外
S&P(スタンダード・アンド・プアーズ)
S&Pグローバル・レーティング(英: S&P Global Ratings)は、金融商品または企業・政府などにつき、その信用状態に関する意見及び投資情報を提供しています。
世界最大手の格付け機関である。アメリカ合衆国・ニューヨーク市に本部を置き、世界26ヵ国にオフィスを展開しています。
企業や銀行等の金融機関(株式と債券の発行体)の信用力の調査研究を行い、2013年には世界総生産の約5%相当の3.5兆ドル(約357兆円)の債務に信用格付けを付与しています。
Moody’s(ムーディーズ)
ムーディーズ (Moody's Corporation) は、アメリカの民間企業で、米大手債券の格付け機関業務を行っている。
スタンダード&プアーズ (S&P) と並ぶ2大格付け会社の一つで、企業や債券などの信用力を調査し、信用格付けを行っている。主に債券の発行会社から格付け手数料収入を得て、格付けを行っている。
Fitch Ratings(フィッチ・レーティングス)
フィッチ・レーティングスは、イギリス・ロンドンおよびアメリカ合衆国・ニューヨークに本拠を置き、金融商品または企業・政府などについて、その信用状態に関する独自の格付け情報を提供する、民間企業です。
へぇ日本だとJCRとR&Iってとこで格付けしているのね。
格付けの評価はどうやって見ればいいの?
実際に格付け会社のホームページに行って調べたい会社の名前を入れれば、調べることができるわ。
参考
格付投資情報センター(R&I)
日本格付研究所(JCR)
まとめ
今回は格付けについて説明しました。
格付けをすることによって
企業側は資金調達のしやすさに影響する
投資家は格付けが投資の判断材料となる
といった効果があります。
こういった仕組みを知っておくことで、債券を買うときに参考にする。株式に影響があるかもしれないという目線を持てる。といった選択の幅が広がります。
今後も金融に役立つ情報を発信していくので読んでもらえればうれしいです。
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