証券会社のロボアドバイザーとは 各証券会社を比較して解説

証券口座

証券会社のホームページをみていると、ロボアドバイザーというワードが出てきませんか?投資初心者の場合「ロボアドバイザーってなに?」と思う方が多いかもしれません。

そういった方のために、ロボアドバイザーとは何かということをこの記事で解説します。また、メリットやデメリット、各証券会社のロボアドバイザーの特徴も説明していきます。

この記事では

  • ロボアドバイザーとはなにか
  • ロボアドバイザーのメリット、デメリット
  • 各証券会社のロボアドバイザーの特徴

について解説します

 

ロボアドバイザーとは

ロボアドバイザーとは、資産運用に関するアドバイスをしてくれたり、全自動で資産運用してくれる機能です。

「投資を始めたいけど、自分でやる自信がない」「たくさんの銘柄があって、何を買えばいいか分からない」そんな方たちのためのサービスです。今の自分の状況に合わせて、どういう資産運用が適切か判断してくれるので、初心者にも強い味方になります。

 

ここからは、さらに詳しくロボアドバイザーに関する情報をお伝えします。

この記事を読んで、自分にあったロボアドバイザーを探してみてください。

 

ロボアドバイザーは2種類ある!

まず、ロボアドバイザーは大きく分けて2種類あります。

項目 アドバイス型ロボアドバイザー 運用一任型ロボアドバイザー
説明 資産状況やリスク許容度に応じて、適切な金融商品を組み合わせを提案してくれる その人の資産状況にあった配分で、資産運用を自動でしてくれる。リバランスも自動で行い、ポートフォリオを適切な状態に維持してくれる
投資
リバランス 
投資家自身が資産運用を行い、リバランスも自分で行う必要がある 投資、リバランスを全て自動でしてくれる

※ポートフォリオとは、複数の金融商品の組み合わせの内容を示したものです。

※リバランスとは、ポートフォリオを定期的にメンテナンスして、適正なポートフォリオにすることです。

特徴は上記の表のとおりです。これから順番に解説していきます。

 

下記のURLでもポートフォリオとリバランスについて説明しています。興味がありましたら、こちらもご覧ください。

参考:【全国銀行協会 ポートフォリオについて】リンク

参考:【日本証券業協会 リバランスとは】リンク

 

アドバイス型ロボアドバイザーとは?

1つ目は、「アドバイス型のロボアドバイザー」です。特徴は、ロボアドバイザーの質問に答えていくと、各投資家にあった資産運用プランを提示してくれます。資産状況や、リスク許容度に応じて、最適な金融商品の組み合わせを提案してくれます。

 

アドバイスをもとに、投資家は自分で金融商品を購入し、資産運用、リバランスをおこないます。なかには、自動でリバランスしてくれるアドバイス型のロボアドバイザーもあります。

 

アドバイス型は、基本的には助言するだけなので、最終的な投資の判断をするのは、投資家自身です。「アドバイスは欲しいけど、資産運用は自分でしたい」という方におすすめです。

 

運用一任型ロボアドバイザーとは?

次に、投資家に代わり直接資産運用をする「運用型のロボアドバイザー」の説明をします。投資に関する知識がなくても、運用型のロボアドバイザーに任せれば、その人の資産状況にあった配分で、資産運用を自動でしてくれます。

 

また、資産運用を続けると、ポートフォリオのバランスが崩れてきます。資産配分の適切な状態に戻すことをリバランスといいますが、運用型のロボアドバイザーはリバランスも自動で行います。

 

「資産運用を始めたいけど、自分でやる自信がない」「時間がなくて、自分でできない」という方におすすめです。

 

ロボアドバイザーのメリット

次に、ロボアドバイザーを利用するメリットについて、解説していきます。

メリット説明
投資に関する知識がなくても手軽に始められるロボアドバイザーがサポートしてくれるため、初心者でも投資を始めやすい
手数料が安いプロの人間に資産運用してもらうより、ロボアドバイザーの手数料が低いことが多い
手間がかからない(運用一任型ロボアドバイザー)運用型ロボアドバイザーは自動で資産運用、リバランスをおこなってくれるため、手間をかけずに運用ができる
適切な資産運用が行われやすい個人のリスク許容度や資産状況に応じて、アドバイスや資産運用を行ってくれるため、適切な運用が期待できる

投資の知識がなくても始めやすい

投資に関する知識がなくても、ロボアドバイザーが提示する質問事項を入力すれば、適切な運用方法をアドバイスがもらえます。

自動で運用してくれるロボアドバイザーもあります。「投資の勉強をしてないから、自分には無理だ」と思っていた人にも、手軽に始めることができます。

投資と聞くと初心者の方は大きく得をしたり、逆に大きく損をしやすいというイメージがあるかもしれません。しかし、適切な運用をすればリスクを下げられので、ロボアドバイザーに頼るという選択肢はおおいにアリです。

 

手数料が安い

ファンドラップというサービスを金融機関が行っています。「自分では資産運用ができない」という人の代わりにプロが資産運用するというものです。しかしプロに任せると手数料が高くなってしまいます。

しかしロボアドバイザーは、AIが代わりに資産運用をしてくれるので、人件費を減らせます。そのため、プロが行うより、低価格な手数料での資産運用を実現しています。

 

手間がかからない

次に、手間がかからない点があげられます。自分で運用したり、リバランスを行うには、株の購入、売却手続きが必要です。仕事や家事が忙しい方たちにとって、自分で手続きをおこなうのは大きな負担になります。

運用一任型ロボアドバイザーは、自動で運用してくれます。自分が手続きしなくても、適切なポートフォリオにしてくれるので、忙しい方でも問題なく資産運用をできます。 

 

適切な資産運用が行われる

自分の状況にあわせたポートフォリオにするといっても、自分の資産をどの位まで投資にまわしていいか初心者にはハードルが高いと思います。

ロボアドバイザーは、今の自分の状況を入力するだけで、適切な運用方法をアドバイスしてくれたり、自動で運用してくれるので、自分にとって適切な資産配分がしやすくなります。

 

ロボアドバイザーのデメリット

 

ロボアドバイザーを利用するにあたってデメリットも存在します。

デメリットもしっかり把握したうえで、資産運用に活用してください。

デメリット説明
自分で運用するより、手数料が多くかかる自分で投資を行う場合と比較すると、ロボアドバイザーの手数料が高くなる
コミュニケーションがとれない人間のアドバイザーとは異なり、個別の相談が難しい
短期投資に向いていないロボアドバイザーは主に長期投資を目的とした運用アドバイザーサービスであるため、短期投資を望む人には不向き
元本割れのリスクがある投資には元本割れのリスクがともなう。ロボアドバイザーを利用しても、リスクは避けられない

 

自分で運用するより、手数料が多くかかる

ロボアドバイザーは、アドバイス型は無料で利用できるものもありますが、0.3〜0.4%程度手数料が発生するアドバイス型もあります。運用一任型も、預かり資産に1%程度かかる場合が多いです。ポートフォリオの中に投資信託が入っている場合、信託報酬も発生します。

プロの人間が代わりに運用するよりは、コストを抑えられますが、どうしても自分自身で運用するより手数料が高くなってしまいます。

 

細かいコミュニケーションがとれない

ロボアドバイザーは、AIによるサービスなので細かいコミュニケーションはとれません。

複数の質問から運用方針を決めてくれますが、AIなので個別の相談やその人に寄り添ったアドバイスをもらうには不向きです。またポートフォリオの細かいカスタマイズも、プロの人間にはかないません。

「自分に寄り添ったアドバイスや資産運用をしてもらいたい」そう思う方には、やはり人間のアドバイザーが適切です。

 

短期投資には向いていない

ロボアドバイザーは、主にインデックスファンドやETFなどの長期投資を見据えたプランを提供しています。

長い目でみて、着実に資産を増やしたい方にはおすすめですが、短期的に株の売買をしたい方には向いていないサービスです。

自分がどういう投資スタイルでいくのかをよく検討して、長期的に投資をしたいと思われたのなら、ロボアドバイザーの活用も考えてみてください。

 

元本割れのリスクがある

元本割れリスクはどの投資でもありえることですが、ロボアドバイザーの提案した金融商品だからといって安心してはいけません。

世の中の情勢によって、株価は大きく影響を受けます。ロボアドバイザーが、その時に一番適切なプランを提案しても、未来までは予想できません。

世界の経済状況が悪化すれば、元本割れのリスクは高まります。そのことを踏まえて投資をするか検討してください。

 

ロボアドバイザーを取り扱っている会社

ここからは、各会社のロボアドバイザーを紹介していきます!

それぞれ特徴がありますので、ロボアドバイザーの活用を検討している人は、参考にしてみてください。

 

WealthNavi

1つ目のロボアドバイザーは、WealthNaviです。

項目 内容
タイプ 運用一任型
手数料 預かり資産の1%
ETF保有コスト 年率0.08%~0.13%
最低投資額 1万円
NISA 一般NISA対応

WealthNaviのおすすめポイントは、おまかせNISAというサービスです。

NISA(少額投資非課税制度)とは、通常は株などの金融商品に投資をした場合、得た利益の約20%が税金として差し引かれます。しかし、NISAは本来かかるはずの20%の税金を非課税にしてくれる制度です。

おまかせNISAは自動で資産運用し、得た利益は非課税になるというお得なサービスです。節税しつつ、資産運用をしたい方には、特におすすめです。

※NISAは2024年から制度の内容が変わります。ご注意ください。

参考:【投資信託協会 ETFとは?】リンク

参考:【金融庁 NISAとは?】リンク

参考:【WealthNavi ホームページ】リンク

 

FOLOL ROBO PORO

2つ目のロボアドバイザーは、FOLOL ROBO PUROです。

項目 内容
タイプ 運用一任型
手数料 預かり資産の1%
ETF保有コスト 支払報酬及びETF売買の委託手数料を負担(運用状況により合計額が変動)
最低投資額 10万円

FOLOL ROBO PUROのAIは、「景気循環の予測」「危機の事前予測」「金融市場の予測」を40以上のマーケットデータを活用して、将来予測を行っています。

コロナショックを事前に予測し、ポートフォリオを大幅に変更。そのおかげで、資産の大幅下落を免れた実績があります。その後、コロナショック後の回復相場も予測し、株価上昇の恩恵も受けられました。

FOLOL ROBO PUROは、2020年1月15日運用開始の新しいサービスですが、実績が十分なロボアドバイザーと言えます。

参考:【FOLOL ROBO PURO ホームページ】リンク

 

楽ラップ 

3つ目のロボアドバイザーは、楽ラップです。

項目内容
タイプ運用一任型
手数料固定報酬型: 最大年率0.715%成功報酬型: 【固定報酬】年率最大0.605%+【成功報酬】運用益の5.5%
ファンド費用年率最大0.2702%
最低投資額1万円

楽ラップは、下落ショック軽減機能を備えています。株式市場の値動きが大きくなり、その状況が継続されると判断された時、ポートフォリオの比率を変えて、資産の値動きのブレを軽減する機能です。

株式から得られるリターンが少なくなる可能性がある一方、損失を緩和する効果があるので、なるべくリスクを避けたい方におすすめです。

 

手数料の体系を2種類から選べるのも特徴です。1年間の収益率が2%未満は成功報酬型、2%以上の場合は、固定報酬型の方がお得になる傾向にあるようです。

ただし、一度選ぶと約1年間は変更することが出来ません。変更する場合は、契約期間が満了する約1ヵ月前から変更できます。

自分がどのくらいの収益率を目指すのかで選択肢が変わります。契約をする前にシュミレーションして自分にあった契約をみつけてください。

なお、楽ラップを始めるには楽天証券の口座開設が必要になります。

参考:【楽ラップ ホームページ】リンク

参考:【楽天証券 口座開設】リンク

 

THEO

4つ目のロボアドバイザーは、THEOです。

項目 内容
タイプ 運用一任型
手数料 運用資産額の最大1%、THEO利用口座の管理手数料は各社へお問い合わせ
最低投資額 1万円

30種類以上のETFから構成されていて、投資先は約70の国で、投資対象は20,000銘柄以上です。多くの投資先に分散投資をすることで、リスク低減を図っています。

THEOの魅力はたくさんの連携先があること。代表的なものがTHEO⁺docomoです。

運用資産額に合わせて毎月dポイントがもらえます。ドコモ回線契約者の場合、ポイントが1.5倍になるというお得なプラン。しかも、dカードで積み立てをするとポイントがダブルで貯まります。

ドコモユーザーにとって、とてもおすすめなロボアドバイザーと言えます。

 

他にもTHEO⁺JALで資産運用をすれば毎月マイルがもらえますし、複数の地方銀行とも連携していて、振込手数料が無料になったりします。

自分の口座がある銀行が提携していれば、THEOと自分の持っている口座銀行を合わせて利用してもいいですし、ドコモユーザーであれば、THEO⁺docomoを利用するのをお勧めします。

自分のスタイルに合った連携先をを探してみてください!

 

参考:【THEO ホームページ】リンク

参考:【THEO⁺docomo】リンク

 

SBIラップ

5つ目のロボアドバイザーは、SBIラップです。

項目 内容
タイプ 運用一任型
手数料 年率0.660%(税込)
信託報酬 年率0.294%(平均値)
最低投資額 1万円

SBIラップは他のロボアドバイザーに比べて、手数料が安いのが大きな特徴です。手数料が安ければ安いほど、後々のリターンが大きくなってくるので、少しでも安い方が良いですよね。

SBIラップは、2022年3月31日に運用を開始した新しいサービスです。

 

新しいサービスですが、先ほど2つ目に紹介したFOLOL ROBO PUROと同じ運用アルゴリズムのAIなので、コロナショック前の株価の下落を予想した実績があります。

なお、SBIラップを利用するには、SBI証券の口座を解説する必要があります。

参考:【SBIラップ ホームページ】リンク

参考:【SBI証券 口座開設】リンク

 

マネックスアドバイザー

6つ目のロボアドバイザーは、マネックスアドバイザーです。

項目 内容
タイプ アドバイス型
手数料 預かり残高に対して年率0.33%
ETF保有コスト 上場株式と同様の手数料体系
最低投資額 1万円

マネックスアドバイザーはアドバイス型のサービスです。ロボアドバイザーの助言を聞いて、自分で投資するスタイルですね。

運用一任型と比べて、自分で運用する手間はありますが、その分手数料は低く設定されています。「アメリカと比べて手数料が高い」という声に対応して、低水準の料金に設定されていますので、安心して利用できますよ。

運用プランは2,000以上の組み合わせ。投資書初心者だったとしても、その人にあったプランを提案してくれますし、自動積立機能もあるので手軽に資産運用が始められます。

ロボアドバイザーに全てを任せるのが嫌な方は、マネックスアドバイザーをおすすめします

なお、マネックスアドバイザーの利用には、マネックス証券の口座開設が必要になります。

参考:【マネックス証券 マネックスアドバイザー】リンク

参考:【マネックス証券 口座開設】リンク

投信工房

7つ目のロボアドバイザーは、投信工房です。

項目 内容
タイプ アドバイス型
手数料 年率0.34%
信託報酬 年率0.23~0.32%
最低投資額 100円

投信工房は松井証券が展開しているサービスで、アドバイス型のロボアドバイザーです。

手数料は0.34%と安く、「意見は聞きたいけど、運用は自分でしたい」という方に向いていますよ。

最低投資額も100円から始めることができるのも魅力の1つで「運用資金はあまりないけど、投資に興味がある」という方でも手軽にはじめられます。

目標のポートフォリオを設定した後は、指定した日にリバランスを行う「自動リバランス」があります。他にも、リバランスしながら積み立て投資ができる「リバランス積立」もあるので、リバランスの手間を省くことができる便利機能です。

 

手数料を安くしつつ、なるべく手間をかけたくない人にむいているロボアドバイザーです!

投信工房を利用したい方は、松井証券の口座開設が必要になりますので、あわせて口座開設をお願いします。

参考:【松井証券 投信工房】リンク

参考:【松井証券 口座開設】リンク

 

SUSTEN

8つ目にSUTENのロボアドバイザーの紹介です。

 

項目 内容
タイプ 運用一任型
手数料 成果運用報酬型(最大で18.37%)
信託報酬 おまかせ投資: 年率0.022%(税込)、つみたてNISA: 年率0.2112%(税込)
最低投資額 1万円
NISA つみたてNISA対応

SUTENの大きな特徴は、手数料が他と違い成功報酬型ということです。

他のロボアドバイザーは主に預かり資産に対して、約1%の手数料が発生する場合が多いです。

SUTENは口座内の月末時点投資評価額が、過去最高の投資評価額を超えていれば、その超えた分の一部を成果運用報酬として収受します。月末時点投資評価額が過去最高の投資評価額を下回っている場合は、成果運用報酬が発生しない仕組みになっています。

 

資産価値が上がっている時は手数料が発生して、資産価値が下がっている時は、手数料がかからないという仕組みですね。別で信託報酬は発生しますのでご注意ください。

もう一つの特徴は、つみたてNISA(少額投資非課税制度)に対応していることです。NISAに対応しているロボアドバイザーの数は少ないので、非課税で資産運用をできるメリットは大きいです。

※NISAは2024年から制度の内容が変わります。ご注意ください。

参考:【SUTEN ホームページ】リンク

参考:【金融庁 つみたてNISAとは?】リンク

 

まとめ

以下に今回説明した内容をまとめました。

項目説明
ロボアドバイザーとは資産運用に関するアドバイスをしてくれたり、全自動で資産運用してくれる機能
ロボアドバイザーの種類アドバイス型ロボアドバイザー、運用一任型ロボアドバイザー
メリット1. 投資に関する知識がなくても手軽に始められる
2. プロの人間に運用してもらうより手数料が安い
3. 手間がかからない(運用一任型ロボアドバイザー)
4. 適正な資産運用が行われやすい
デメリット1. 自分で運用するより、手数料が多くかかる
2. コミュニケーションがとれない
3. 短期投資に向いていない
4.元本割れのリスクがある

 

「投資はしたいけど時間がない」「自分で投資をする自信がない」という方は、運用一任型のロボアドバイザーが「アドバイスは欲しいけど、プロに聞くのは気が引ける」「費用をなるべくかけずに手軽に相談したい」という方はアドバイス型を検討してみてください。

ロボアドバイザーはとても便利な機能ですが、適当に選んでしまうと後悔してしまいます。今の自分の投資の知識レベルがどの位なのか把握して、ロボアドバイザーを利用するか考えてみてください。

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