一日で分かる合法詐欺サブリース契約の仕組みと対策 未夜の金融解説

詐欺

この記事では金融庁が注意喚起をおこなうサブリース契約という詐欺について初心者にも分かりやすく説明します。

この記事を読むことによって

  • サブリース契約の仕組み
  • 詐欺に引っかからないために注意する事

について知ることができます。

 

サブリース契約とは

まずは、サブリース契約について詳しく解説します。

サブリースとは、オーナーの所有する空き物件(不動産)を業者が借り上げ、賃貸業務に利用することです。オーナーは家賃から手数料を引いたサブリース料を受け取ることができます。

一見すれば、物件の管理や居住者とのやりとりを専門業者に任せて不労所得が得られる美味しい話に思えそうですが、ここには落とし穴があります。

というのも、サブリースでは物件を借りている業者側が有利であり、後から不動産投資の不利益な部分を押し付けられてしまうからです。

 

また、サブリースそのものは違法ではないですが、一方的に家主になる自分が不利になる契約を結ぶことになります。もちろん、損失があったときは自己責任となるので注意が必要です。

 

サブリースを利用した詐欺の仕組み

ここからはサブリースを利用した詐欺の仕組みについて解説します。

サブリースを悪用する詐欺業者のターゲットとなるのは、多くが不動産投資に関する専門知識のない一般人です。

 

まずは「サブリースで不労所得」という甘い話を持ちかけ、素人に賃貸用物件を購入させるところから詐欺が始まります。

シンプルに流れを説明すると、以下のようになります。

  1. 業者がサブリース用物件を販売し、見込み客に営業する
  2. 買い手側は銀行から融資を受けてローンを組み、物件を買う
  3. 家主となった買い手が業者とサブリースをするための契約を結ぶ
  4. 契約解除を切り札に不要な修繕費や家賃の減額を迫る
  5. 家主(買い手)はローンの返済や物件の売却に苦しむ

これからそれぞれのプロセスについて詳しく解説します。

 

1 業者がサブリース用物件を販売し、見込み客に営業する

サブリースにより家賃収入を見込めるという触れ込みで、業者がアパートなどの賃貸物件を販売します。

営業トークでは都合の良いことだけを伝え、リスクについては伝えられないどころか嘘を言われることもあります。

業者によっては勧誘がしつこく、被害者の中には恐怖を感じたり根負けしたりして契約してしまったという方もいるほどです。

また、一人暮らしで孤独を感じている高齢者の自宅に通いつめて信頼関係をつくり、断りづらくしたうえで営業をする例もあります。

そのため、高齢のご家族と離れて暮らしている場合には、こまめに連絡を取って近況報告をしてもらうのが良いでしょう。

 

2 買い手側は銀行から融資を受けてローンを組み、物件を買う

当然ながら物件を買ったり新築したりするには高額な費用がかかるため、買い手は銀行からの融資(お金を借りること)が必要です

サブリースには問題が多いので契約を渋る銀行も少なくないですが、その対策として銀行への虚偽申告をすすめる業者もいます。

また、過去には大手銀行と業者が手を組んでいた事例もあります。

このように、物件を買わせたり建てさせたりした時点で業者に利益が出るので、あとは家主に不動産投資のリスク部分を押しつけるだけです。

 

3 家主となった買い手が業者とサブリースをするための契約を結ぶ

無事に融資を受けてローンを組み、賃貸用物件の家主となった買い手は、サブリースをするための契約を結びます。

ここで、買い手であった家主と、売り手であった業者の立場が逆転します。

というのも、この契約は賃貸業務代行の契約ではなく、「又貸し」してもいい物件を業者に貸し出す契約だからです。

「賃貸物件を借りる側」として保護される立場となった業者は、ここから一方的な権利の濫用をし始めることが多いです。

 

4 契約解除を切り札に不要な修繕費や家賃の減額を迫る

業者から家主に「家賃を減額しなければ契約は解除します」と言われるといったトラブルがあります。

これは家主に不利な条件で契約を結ばされることが多いためです。「30年保証します」と業者側が言っていても、契約書に小さく2年ごとに契約を見直すといった注意書きが小さく書かれており、この期間を境に家主に不利な条件が付きつけられます。

 

さらに、業者は家主に家を借りる立場なので、法律によって保護されます

家主が家を借りる側(借り手)にいきなり、「もう家を貸せないから出ていけ」と言われたら借り手が露頭に迷ってしまうため、法律によってそれができないように規制しています。

 

こういった法律や不利な条件の契約を業者側が悪用し、契約を解除されたくない家主は、家賃を徐々に減額され、ローンの支払いもままならなくなります。

 

5 家主(買い手)はローンの返済や物件の売却に苦しむ

受け取れる家賃(サブリース料)が減り、ローンの返済が苦しくなった家主は、物件を売却しようと考え始めるでしょう。

しかし、相場に見合わない高い金額がついている物件には、なかなか買い手がつきません。

さらに、サブリースつきの物件は敬遠されがちですが、こちらから自由に契約を解除できるわけではありません。

契約解除の主導権は業者側にあることが多いため、より不利益な条件をつけられたり、高額な違約金を請求されたりすることになります。

元々持っていた住居を売却してサブリース用の住宅に住んでいる家主はさらに足元を見られ、より悲惨な末路を辿ることになります。

 

サブリース契約はなぜ危険なのか デメリットを解説

サブリースのトラブル要因として特に多いのが以下の4つです。

  • 家主側から契約を解除できない場合がある
  • 業者からは一方的に契約解除される場合がある
  • 家賃減額を求められる場合がある
  • 手数料を取られるため収益性が低い

サブリース契約の問題は本来家を借りる立場である借り手を保護するための法律をサブリース業者が悪用することにより、家主が不利になることです。

それぞれの要因について、詳しく解説します。

 

家主側から契約を解除できない場合がある

先ほども説明したようにサブリースは、家主側からは自由に契約の解除をすることができません。

これは、例えば、ある日突然大家から「今日で契約は解除するので、すぐに荷物をまとめて出ていってください」と言われたら非常に困ります。これを防ぐために「借地借家法」という法律によって保護されています。

この例と同じで、契約解除の主導権はサブリース業者側にあり、家主側から解除を求めれば拒否されたり、不利益な条件をつけられたりします

 

業者からは一方的に契約解除される場合がある

家主側から契約を解約できない一方で、サブリース業者からは簡単に契約を解除することができます

借りていた家が転勤などの理由で引っ越さなければいけないとき、「解約はできません、入居料を払い続けてください。」と言われたら困ります。そのため借り手はいつでも契約を解約できるように法律で保護されています。

 

「30年間一括借上げ」という言葉を持ち出す業者もいますが、契約書をみると細かい字で1・2年ごとに契約を見直すといった注意書きが書かれています。

実際には1,2年で不利な契約に変えられてしまうことが多いです。

 

家賃減額を求められる場合がある

サブリースに関するトラブルで多いのが、業者から家主に支払われる家賃(サブリース料)の減額を求められるというものです。

この理由も、一般的なアパート入居者を保護するための「借地借家法」がサブリース業者にも適用されるからです。

「契約時点で家賃の減額はできない契約にすればいいのではないか」と思う方もいるかと思います。

しかし、入居者には家賃交渉の権利があり、家賃不減額の特約を交わしていたとしても無効化されてしまいます。

また、サブリース業者が倒産した場合、不払いの家賃の回収はほぼ不可能になります。

 

手数料を取られるため収益性が低い

サブリース業者が家賃から差し引く手数料は高額なため、入居者と直接契約を交わすよりも明らかに収益性が低くなります。

「家賃保証契約をすれば入居者がいなくても収入になる」という業者もいますが、礼金や更新料などは家主には入りません。

というのも、あくまで家主は業者に物件を貸しているだけで、入居者と契約しているのは業者だからです。

さらに悪質な場合、物件の点検や清掃は別料金となったり、本来必要のない修繕費を請求されたりする例もあります。

 

詐欺に引っかからないために注意すること

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サブリース契約は家主がリスクを被る代わりに、業者が得をするシステムとなっています。違法ではありませんが、一方的に家主が不利になる契約を結ぶ合法詐欺だと私は考えています。

業者側も後でトラブルになることを前提にしているので、こうした詐欺に引っかかった場合失ったお金は取り戻せないと考えたほうがいいです。

詐欺に引っかからないために注意する点としては以下の3点に気を付けることです。

  • サブリースに関する正しい知識を持つ
  • 様々な詐欺についての知識を付けておく
  • 分散投資をする(全財産を一点に投資しない)

ここからそれぞれの注意点について、詳しく解説します。

 

サブリースに関する正しい認識を持つ

まずは、サブリースについてしっかりと調べ、契約を従っている業者側がどのようにして儲けようとしているのか、正しい認識を持つことが必要です。

知識を持っていれば「サブリース」という言葉が出た時点で疑ってかかり、契約を断った方が良いと分かります。

 

様々な詐欺についての知識を付けておく

これはサブリース契約に限ったことではありませんが、様々な詐欺の手法について知っておくと、詐欺に共通するパターンが見えてきます。

根本的なところは自分が不利になる契約や取引を様々な手法で行うことです。

詐欺から身を守るためには、「この取引で相手はどのような利益があるのか」「これが失敗した場合、最悪自分はどのくらいのものを失うのか」という点を意識することです。

 

分散投資をする

これもサブリース契約に限ったことではありませんが、そもそも自分の持っている全財産を一点の不動産に集中させることが間違っています。

私のブログでは株や投資信託を勧めていますが、それも分散投資を勧めています。

どのようなものでも必ず値段があがることも儲かることもありません。絶対にリスクはあり、失敗すれば損失が伴います。

そうした損失を最小限にするのが分散投資です。 

サブリース契約を結ぶ人の多くは持っている資産の大半かそれ以上に借金をして契約しています。サブリースに限ったことではなくこうした一点に全財産を投資しないことが重要です。

 

まとめ

今回はサブリース契約について説明しました。

このブログではお金持ちになるために必要な知識を配信しています。

一生懸命貯金してもこうした詐欺に引っかかれば一瞬で資産を失い最初からやり直しです。

 

詐欺に対する大きな対策は詐欺から身を守るためには、「この取引で相手はどのような利益があるのか」「これが失敗した場合、最悪自分はどのくらいのものを失うのか」考えることです。

また、様々な詐欺についての知識を得ておくことも重要です。

 

このブログではこうした詐欺に関する知識も発信していくので一緒に勉強していきましょう。

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