パソコンの性能が良くなるCPUクーラーの役割と種類

パソコン

CPUは、PCパーツのなかでも特に発熱量が多いパーツです。

CPUクーラーを設置して効率的に冷却することでパソコンの性能をフルで発揮させることができます。

当記事では

  • CPUクーラーの役割
  • CPUクーラーの種類

について解説します。

この記事は以下のような悩みを持つ人に向けて書いています。

未夜
未夜

私は大手パソコンメーカーで働いていた経験もあります。CPUの冷却性能を上げる事でパソコンによっては2倍以上の処理ができるようになります。パソコンが遅くてイライラすることもCPUの冷却によって改善されるかもしれません。初心者向けに解説するので読んでもらえればうれしいです。

 

CPUクーラーの役割

CPUクーラーは、コンピュータの中で最も重要な部品の1つであり、CPUの温度を下げることで、性能を維持し、損傷を防止する役割があります。

 

CPUが長時間高負荷で動作すると、多くの熱が発生し、周囲の空気やケース内部の温度が上昇します。この場合、CPUクーラーが効率的に働かないと、CPUの温度が急激に上昇し、パフォーマンスの低下やシステムのクラッシュなどが発生する可能性があります。さらに、長期間にわたってCPUが高温で動作し続けると、部品の劣化や破損の原因にもなります。

 

CPUクーラーは、コンピューターの安定性を保ち、CPUの寿命を延ばすために重要な役割を果たしています。

 

CPUクーラーの種類

CPUクーラーは、様々な機能を備えたものがあります。以下に代表的な機能別に説明します。

冷却能力

CPUクーラーの冷却能力とは、CPUから発生する熱を適切に冷却することができる能力のことです。CPUは、高速で処理を行うために多くの電力を消費します。そのため、CPUは発熱量が非常に高く、適切に冷却されなければ、オーバーヒートが起こり、システムのクラッシュや損傷などの問題が生じる可能性があります。

 

CPUクーラーの冷却能力は、クーラーがどれだけ熱を効率的に除去できるかによって決まります。具体的には、クーラーの熱伝導率、ファンの回転数、ヒートシンクの構造、ラジエーターの面積などが重要な要素です。また、CPUの種類や使用目的に応じて、適切な冷却能力を持つCPUクーラーを選択することが重要です。

 

一般的には、CPUクーラーの冷却能力は、ベンチマークなどで測定されたTDP(Thermal Design Power)に基づいて表されます。TDPは、CPUが発熱する最大電力を示す指標であり、CPUクーラーの選択に重要な情報となります。

静音性

CPUクーラーの静音性とは、ファンの騒音レベルを低減することで、PCの作動音を静かにすることができる性能のことを指します

 

ファンの回転数が低いほど、静かな作動音を実現できますが、冷却能力が低下する可能性があります。

 

一般的には、静音性が高いCPUクーラーは、冷却能力にやや劣る傾向がありますが、大半の場合、十分な冷却能力を確保できるレベルであることが多いです。そのため、PCの静音化を重視する場合には、静音性の高いCPUクーラーを選択することが重要です。

取り付けやすさ

CPUクーラーの取り付けやすさは、ユーザーが自分でCPUクーラーを取り付ける場合に重要な要素です。一般的に、CPUクーラーの取り付けは、ヒートシンクとファンをマザーボードに固定することが必要で、作業が複雑で時間がかかることがあります。しかし、いくつかのCPUクーラーには、ツールレスで簡単に取り付けられるものもあります。

 

取り付けやすさを高めるために、いくつかのCPUクーラーには、プリアプライドサーマルペーストや取り付けハードウェアが付属しています。また、取り付けに必要な工具が最小限に抑えられているため、作業時間を短縮できる場合があります。

 

CPUクーラーの取り付けやすさは、組み立て時のストレスを軽減するだけでなく、誤った取り付けによるハードウェアの破損を防ぐこともできます。そのため、CPUクーラーの取り付けやすさは、ユーザーにとって重要な機能の1つです。

 

LEDライティング

CPUクーラーには、LEDライティングを搭載したモデルもあります。LEDライティングは、PCゲーマーやパフォーマンス向けのPCユーザーにとって魅力的な機能の1つで、マシンを個性的にカスタマイズすることができます。

 

一部のCPUクーラーでは、LEDライティングがRGB仕様になっており、カラーオプションやエフェクトをカスタマイズできます。また、LEDライトが発する光は、静音性の高いファンと組み合わせることで、美しく静かなPCビルドを実現することができます。

 

ただし、LEDライティングはCPUクーラーの機能面には直接関係がありません。したがって、性能を重視するユーザーにとっては、LEDライティングは必要ない機能の1つであることに留意する必要があります。

 

ソケットの対応性

CPUクーラーのソケットの対応性は、CPUクーラーをどの種類のCPUソケットに使用できるかを示します。 CPUソケットには、Intel製品向けのLGAソケットとAMD製品向けのAMソケットがあります。 CPUクーラーには、対応するソケットが限られている場合があります。したがって、マザーボードに取り付けたいCPUクーラーが対応するソケットに対応していることを確認する必要があります。

 

一般的に、CPUクーラーの製造元は、製品の詳細にソケットの対応性を明記しています。また、CPUクーラーには、複数のソケットに対応するモデルもあります。したがって、マザーボードに取り付けるCPUクーラーを選ぶ際には、ソケットの対応性を確認することが重要です。

 

また、マザーボードのCPUソケットの規格が途中で変更されることがあります。たとえば、AMD Ryzenシリーズの場合、1世代から2世代への移行時に、CPUソケットの形状が変わりました。そのため、CPUクーラーを選ぶ際には、使用するCPUの世代に合わせて、対応するソケットを確認する必要があります。

 

これらの機能を考慮して、自分に最適なCPUクーラーを選択することが重要です。

 

冷却方法による種類

CPUクーラーには、冷却方法の違いにより、以下のような種類があります。

 

エアクーラー

放熱器とファンを使用してCPUを冷却するタイプのクーラーです。エアクーラーは、一般的に、低価格で簡単に取り付けられるため、一般的なコンピューターユーザーに人気があります。

 

エアクーラーは、放熱器がCPU上に取り付けられているため、熱を効率的に吸収することができます。ファンが回転していると、放熱器に風を送り、熱を放熱します。エアクーラーは、放熱器の形状やファンの数、サイズ、回転数によって性能が異なります。

 

エアクーラーは、CPUのオーバークロックに対応するために設計された高性能なものもあります。しかし、一般的に、エアクーラーは、水冷クーラーや熱パイプクーラーに比べて効率が低く、静音性にもやや欠けることがあります。

 

エアクーラーには、ラジエーターの位置を選択できるタワー型や、より小型でファンを直接放熱器に取り付けたフラット型など、さまざまな形状があります。また、特定のCPUに適したクーラーを選択することが重要であり、製造元のサイトやマニュアルを確認することが重要です。

 

水冷クーラー

水と放熱器を使用してCPUを冷却するタイプのクーラーです。水冷クーラーは、熱効率が高く、静音性が高いことが特徴です。水冷クーラーは、高性能なゲームやグラフィック処理など、高負荷のアプリケーションを実行するためのコンピューターシステムで使用されることが多いです。

 

水冷クーラーは、ラジエーター、ポンプ、水ブロック、配管から構成されています。水ブロックは、CPUに接続され、熱を水に伝えます。ポンプは、水を循環させ、ラジエーターで熱を放熱します。ラジエーターは、水から熱を取り除くために風を送ります。水冷クーラーは、エアクーラーに比べて効率が高く、静音性が高いため、高負荷のアプリケーションに最適です。

 

水冷クーラーは、エアクーラーに比べてコストが高いため、一般的なコンピューターユーザーにはあまり使用されていません。また、水冷クーラーの取り付けには専門的な知識が必要で、インストールが複雑であります。さらに、水漏れや故障のリスクがあるため、専門知識を持つ人による取り付けが推奨されます。

 

熱パイプクーラー

放熱器と熱パイプを使用してCPUを冷却するタイプのクーラーです。熱パイプクーラーは、エアクーラーと水冷クーラーの中間に位置するクーラーで、熱効率が高く、静音性も比較的高いことが特徴です。

 

熱パイプクーラーは、放熱器に熱パイプが取り付けられ、熱を吸収し、放熱します。熱パイプは、中に液体を封入した空洞で、液体が気化して蒸気となり、放熱器に熱を伝えます。そして、放熱器で気化した液体は再び凝縮し、熱パイプ内を循環します。熱パイプクーラーは、エアクーラーよりも効率が高く、水冷クーラーよりも安価であるため、多くのコンピューターユーザーに人気があります。

 

熱パイプクーラーには、タワー型のものや、ヒートシンクとファンを一体化したものがあります。タワー型のものは、大型で高性能であり、多くの場合、オーバークロックにも対応しています。一方、ヒートシンクとファンを一体化したものは、小型で簡単に取り付けることができます。

 

熱パイプクーラーの取り付けには、専門的な知識は必要ありませんが、注意深く行う必要があります。また、一部の大型モデルは、周辺部品やメモリスロットとの干渉があるため、ケース内のスペースを確認してから購入することが重要です。

 

ファンレスクーラー

ファンを使用せずに放熱器でCPUを冷却するタイプのクーラーです。ファンレスクーラーは、静音性が高く、故障のリスクが低いことが特徴です。

 

ファンレスクーラーは、熱効率を高めるために放熱器が大型化されることが多く、高性能のCPUにも対応することができます。また、ファンレスクーラーは、故障する可能性のあるファンがないため、長期間安定して使用することができます。

 

しかし、ファンレスクーラーは、放熱器が大型化されているため、一部の小型のコンピューターケースでは取り付けに適していないことがあります。また、ファンレスクーラーは、エアフローがないため、通常のエアクーラーに比べて効率が低く、高負荷のアプリケーションを実行する場合には注意が必要です。

 

ファンレスクーラーは、主にオフィスやホームシアター用途で使用されることが多く、静音性を重視するコンピューターユーザーや、ファンの故障が心配な場合に選択されることが多いです。

 

これらのCPUクーラーは、コンピューターの使用目的や予算に応じて選択できます。また、特定のCPUと互換性のあるクーラーを選択する必要があるため、購入前に製造元のサイトやマニュアルを確認することが重要です。

 

まとめ

この記事ではCPUクーラーについて解説しました。

CPUクーラーについてある程度知識が分かったとおもいます。実際におすすめのCPUクーラーについては以下で解説しているので参考にして下さい。

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