今回はアニメで使われたクラシック音楽について解説します。
BGMにはワンシーンを引き立たせる大きな効果があります。
その中でもクラシック音楽は、作られた背景を知っておくとさらにアニメを楽しむことができます。
それでは見ていきましょう。
モーツァルト ピアノソナタ11番 第1楽章(シュタインズ・ゲートゼロ)
この曲はアニメ:シュタインズ・ゲート ゼロで使われた曲です。
モーツァルトは神童と呼ばれ幼い頃からその才能を発揮していました。
シュタインズ・ゲートに登場する牧瀬紅莉栖もモーツァルトと同様に、若くして才能にあふれる科学者でした。
彼女は父親が科学者であったことから、彼女自身も同じ道に進みましたが、彼女の方が才能があり父親を超えていきます。
シュタインズ・ゲートに登場する、牧瀬紅莉栖をベースにした人工知能も、天才であったモーツァルトのミドルネームである アマデウスという名前が付けられています。
しかし、天才である彼女を目の当たりにした人たちは、自分の才能の限界を感じ挫折してしまいます。
それは彼女の父親も同様でした。そのため、周りから嫉妬されることも多々ありました。
話は戻りこの曲はモーツァルトがウィーンへと移住し、フリーの音楽家として売れるための第一歩となる作品でした。
周りの嫉妬にも負けず一生懸命進み続ける牧瀬紅莉栖と重なっている部分もあり、そうした背景にマッチした音楽でもあります。
クロード・ドビュッシー 夢(長門有希ちゃんの消失)
アニメ:長門有希ちゃんの消失で使われた曲です。
この曲はドビュッシーが作曲家として駆け出しの頃に書いた曲で、後年の彼自身は若い頃の未熟な作品を嫌っており、この作品に対しあまり良い評価をしていません。
この話で出てくる長門有希のことを原作:涼宮ハルヒの憂鬱の長門有希はバグやエラーと呼んでおり、この曲はそうした未熟な部分を示すのにもつかわれているのでは?と思える曲です。
また、このストーリーは長門有希自身の夢の形でもあります。
この音楽の儚げなメロディーはゆっくりと流れる夢の中の幸せな時間を表現しています。
ショパン 別れの曲(鋼の錬金術師 第1期)
この曲は2003年に放送された鋼の錬金術師 第1期とも呼ばれる漫画とは異なるオリジナル展開の作品の最終話で使われた曲です。
原作と同様、主人公のエドワード、アルフォンスは人体錬成によって失った体を取り戻すため、国家錬金術師になります。
しかし、その結末として、弟のアルフォンスは元の体を取り戻しますが、兄のエドワードはその代償として異世界に飛ばされ、手足も戻らず仕舞いです。
そうした兄弟の別れをイメージしてこの音楽が使われています。
鋼の錬金術師 第1期はその後に放送された、「鋼の錬金術師 FULLMETAL ALCHEMIST」と比べ話の展開が暗く、最後の展開もバットエンド寄りになっています。
別れの曲は、ショパン自身が「これ以上美しい旋律を作ったことはない」と語っている作品ですが、この話はそれと対比した暗い展開を引き立たせています。
フォーレ シチリアーノ(氷菓)
この曲はアニメ:氷菓
この曲はアニメ:氷菓で使われた曲です。
もともとチェロとピアノのために作られた曲でしたが、メロディーの美しさからピアノとフルートで編曲されることが多い作品です。
氷菓でもフルートで演奏されています。
氷菓は謎解きの要素も醍醐味ですが、登場人物の感情の変化を細かく繊細に描いているところも魅力です。
学生時代の中の他愛もない日常生活、しかし、後になってみると美しく感じる青春の一コマをこのBGMによって引き立たせています。
解説付きクラシック動画
動画にもしているのでこちらでもどうぞ
音声あり
音声なし
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