楽音分析

音楽解説

E.W.エルガー 愛のあいさつ アナリーゼ(楽音分析)

愛のあいさつは、エルガーが31歳の時に作曲した作品です。この曲は、エルガーの人生にとても大きく関わっている曲です。 エルガーは29歳の時、後の妻になるキャロライン・アリス・ロバーツのピアノ教師を務めることになりました。 エルガーより8歳年上の彼女はイギリスの名家に育ち、当時既に著書も出版している才女でした。 ほどなく恋に落ちた二人でしたが、当時のエルガーは音楽教師などで生計を立てる貧しい駆け出しの作曲家でした。 加えて社会的な身分や年齢も違う上に、二人はキリスト教の教派も異なり、アリスの家族から強く反対されることになります。 しかし、周囲の反対にもかかわらず、二人は1888年に婚約を交わします。 その時にエルガーからアリスに婚約記念として贈ったのが、「愛のあいさつ」です。 婚約の時に音楽を送るなんてロマンティックですね。 周囲の大きな反対にも負けず、彼らは互いに支えあい結婚一年後には一人娘が生まれています。 また、「威風堂々」や「エニグマ変奏曲」などの名曲を作曲しついには名声を獲得しました。 彼の成功には妻の支えが、なくてはならないものでした。 この曲は二人が支えあって、共に歩みだす第一歩となる作品でもあります。
音楽解説

ソナチネ14番 モーツァルト ピアノソナタ15番  一楽章 アナリーゼ(楽音分析)

ソナチネとは「小さいソナタ」という意味です。 ソナタの語尾に -ine を付けて“小さい”という意味が加わった造語です。 このピアノソナタは、モーツァルトが自作の作品目録に「初心者のための小さなソナタ」と記しており、 ソナタアルバムやソナチネアルバムにも収められていることから、ピアノ学習者にはおなじみの曲となっています。 比較的難易度が低い作品ではありますが、知名度が高い作品です。 特に冒頭の部分は誰でも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。
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F.F.ショパン エチュード 作品10-3 別れの曲 アナリーゼ(楽音分析)

この曲は、ショパンのエチュード(練習曲)集の一つで、日本では「別れの曲」の名で親しまれています。 これは、1934年にショパンの生涯を描いたドイツ映画「別れの曲」でこの曲が使われていたためです。 映画のタイトルがそのまま曲名として定着しました。 冒頭の旋律は特に有名で、誰もが一度は聴いたことがあると思います。 「別れの曲」が作曲されたのは1832年でショパンが22歳の時だと言われています。 この頃のショパンは故郷ポーランドを離れ、パリへと拠点を移しています。 「パリでの成功を夢見る心情」と「故郷を懐かしむ心情」の中で作られた作品です。 ショパンの練習曲はただのテクニックの習得の曲ではなく、美しく芸術的な作品と言われています。 この曲はその中でも突出して美しい作品で、ショパン自身も「これ以上美しい旋律を作ったことはない」と語っているほどの作品です。
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クロード・ドビュッシー  喜びの島 アナリーゼ(楽音分析)

序盤の長いトリルから始まり、多彩な装飾音やリズムの変化が盛り込まれている作品です。 ドラマ : のだめカンタービレのコンクールの課題曲としても出てきます。 ドラマの中でもこの曲は「恋しちゃってルンルン♪」な曲と紹介されています。 この曲は、画家:ジャン・アントワーヌ・ヴァトーの作品「シテール島への巡礼」の影響を受けています。 シテール島はエーゲ海、クレタ島の北西にある島で、神話では愛の女神ヴィーナスの島とされています。 作曲時、ドビュッシーが妻という存在がありながらも、他の女性と南の島へ旅行へ行き、その時に作曲されたのが「喜びの島」です。 結果的にドビュッシーは当時の奥さんとは離婚し、島へ行った女性と再婚しています。 「恋しちゃってルンルン♪」と表現するのもこうした理由からだと考えられています。 装飾音やリズムの変化といった技巧を駆使して、きらめくように豊かな色彩の細やかな音を連ね、幻想的な愛の歓びを描き出している作品です。
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L.v.ベートーヴェン ピアノソナタ8番 悲愴 第二楽章 アナリーゼ(楽音分析)

この作品はベートーヴェンのピアノソナタの中で初めて高く、永続的な人気を勝ち得た作品です。 当時の楽譜の売れ行きもよく、気鋭のピアニストとして名声を高める重要な成功作となりました。 『悲愴』という標題は、出版前から決められていました。 自分の作品に表題を与える事が少ないベートーヴェンが名前を付けた珍しい作品です。 『悲愴』が、どのような意味をもって名づけられたのかは作曲者自身は語っていません。 ベートーヴェンの父は、宮廷歌手でしたが、無類の酒好きだったため、収入は途絶えがちでした。 そのため、父から音楽の才能をあてにされ、虐待とも言えるほどの苛烈を極める音楽のスパルタ教育を受けたことから、一時は音楽そのものに対して強い嫌悪感すら抱くようにまでなってしまいました。 また、20代後半頃からは持病の難聴が徐々に悪化し、音楽家として聴覚を失うという死にも等しい絶望感から何度も自殺を図りました。 しかしそんな中でも音楽への強い情熱をもって苦悩を乗り越え晩年まで作曲をし続けながら幕を下ろしました。 ベートーヴェンの生涯は苦悩の連続でその中で作られたこの曲は現在でも広く知られています。 どのような思いを込めて作ったのか考えながら聞くと感慨深い気持ちになりますね。
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クロード・ドビュッシー  ベルガマスク組曲 月の光 アナリーゼ(楽音分析)

「月の光」は、クロード・ドビュッシー作曲のピアノ独奏曲 ベルガマスク組曲の一つです。 ベルガマスク組曲はシチリアーノを作曲したことで有名なフォーレの曲を意識して作られています。 曲は、第1曲 「前奏曲」、第2曲 「メヌエット」、第3曲 「月の光」、第4曲 「パスピエ」の4曲で構成されています。 その中でも最も有名なのが、第3曲の「月の光」です。 親しみやすい曲想で知られるこの曲はドビュッシーの作品のなかでも最も有名であり、単独でも演奏されることが多い曲です。 ほとんどピアニッシモで演奏される夜想曲で、静かで優しく、そして少し切ない雰囲気があります。 中間部の優雅な旋律はミクソリディア旋法と呼ばれるルネサンス時代よく使われていた音楽技法が用いられています。 幻想的な月の情景がそのまま目に浮かぶような、見事な写実性を音楽で表現している作品です。
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L.v.ベートーヴェン ヴァイオリンソナタ第4番 イ短調 作品23 春 アナリーゼ(楽音分析)

この作品はベートーヴェンのピアノソナタの中で初めて高く、永続的な人気を勝ち得た作品です。 当時の楽譜の売れ行きもよく、気鋭のピアニストとして名声を高める重要な成功作となりました。 『悲愴』という標題は、出版前から決められていました。 自分の作品に表題を与える事が少ないベートーヴェンが名前を付けた珍しい作品です。 『悲愴』が、どのような意味をもって名づけられたのかは作曲者自身は語っていません。 ベートーヴェンの父は、宮廷歌手でしたが、無類の酒好きだったため、収入は途絶えがちでした。 そのため、父から音楽の才能をあてにされ、虐待とも言えるほどの苛烈を極める音楽のスパルタ教育を受けたことから、一時は音楽そのものに対して強い嫌悪感すら抱くようにまでなってしまいました。 また、20代後半頃からは持病の難聴が徐々に悪化し、音楽家として聴覚を失うという死にも等しい絶望感から何度も自殺を図りました。 しかしそんな中でも音楽への強い情熱をもって苦悩を乗り越え晩年まで作曲をし続けながら幕を下ろしました。 ベートーヴェンの生涯は苦悩の連続でその中で作られたこの曲は現在でも広く知られています。 どのような思いを込めて作ったのか考えながら聞くと感慨深い気持ちになりますね。
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クロード・ドビュッシー 第一番 ホ長調 アラベスク アナリーゼ(楽音分析)

このコーナーはクラッシック音楽ができた背景や作者について解説します。 この記事を読むと以下の役に立ちます。 ・クラシックについて豆知識を覚えられる ・周りからクラシックについて知っているんだなと思ってもらえる ・音楽を知っているだけでなく、...
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リムスキー=コルサコフ 熊蜂の飛行 アナリーゼ(楽音分析)

リムスキー=コルサコフ 熊蜂の飛行 この曲はオペラ『サルタン皇帝』で使われた音楽です。 主人公の王子が魔法の力で蜂に姿を変えて都へ飛んでいく場面や蜂が悪役の2人の姉妹を襲う場面でこの音楽が使用されています。
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クロード・ドビュッシー プレリュード 亜麻色の髪の乙女 アナリーゼ(楽音分析)

この曲はドビュッシーが作曲した前奏曲の1つです。 前奏曲は全24曲あり、各12曲からなる曲集『前奏曲集 第1巻』『前奏曲集 第2巻』に収められています。 亜麻色の髪の乙女は前奏曲集の 第1巻 第8曲に収められています。 優しい旋律による叙情美溢れる曲で他の曲と趣が異なり、はっきり変ト長調に定まった旋律的で短い作品です。 劇作家のルコント・ド・リールの詩の一節を意識して作られており、 詩の一説には、さわやかな朝に歌を歌う亜麻色をした髪の少女への熱情が書かれています。